第14章 狂った執事
「…」(セバスチャンの料理…美味しいんだよね…。)
無言で食べ始めた。
「…ごちそうさまでした。」
シエルは何があっても仕事はさせないつもりらしい。私のメイド服も、全て捨てた。と言っていた。代わりに用意されていた服は、貴族が着る高級な服ばかりだった。
「はぁ…。」
私はそのまま部屋に戻らず、外に出た。
「…」(バレたら外出禁止…。)
そう思い、アンダーテイカーの所へ向かった。
「アンダーテイカー、いる?」
葬儀屋に着き、アンダーテイカーを呼んだ。
「もう来てくれないかと思っていたよ。」
「!…」
背後から抱きしめられた。
「ビックリするよ…。」
「ヒヒッ…!ゴメンねぇ~?さ、お座り~よ。」
私はソファーに座った。
「…もう会えない。」
「…その顔は、伯爵に何か言われたんだねぇ~?」
「アンダーテイカーに会ったら、外出禁止だって。」
「プッ…!ヒヒヒッ…!伯爵がねぇ~?」
何が面白かったのかわからないけど、凄く笑っているアンダーテイカー。
「でも、もう会えなくなっちゃうなんて、寂しいこと言うじゃないか。」
「…ゴメン…。」
「伯爵は独占欲が強いねぇ~。」
「…」
私は立ち上がり、アンダーテイカーに抱きついた。
「!…おやおや、珍しいこともあるもんだねぇ~。」
「…アンダーテイカーに会えないの…やだ…。」
「そりゃ小生だって嫌だよぉ~?」
「…」
彼といると落ち着く。だいぶ変わっている人だが、またそれが彼の良さなのかもしれない。