第14章 狂った執事
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「ゴメンなさい!ゆ、許してくださ」
「うるせぇんだよ!」
「っう!!」
なんでまた、コイツが…?血の繋がっていない、ヘンリー家の…アイツ…。
そして……。
「ははははっ!!無様な姿ね。」
ソフィア・ヘンリー。
「なんで…嘘つき…セバスチャンの嘘つき…。」
蹴られて、殴られての繰り返し。
「助けて…助けて…助けて!!アンダーテイカー!!」
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「!…」
目を覚ました。
「…夢…。」
肩にブランケットのようなものがかけられていた。
「…」
嫌な夢を見た。空を見ると、もう夕方だった。
「ナツキ。」
「!…坊ちゃん。」
「…やはり、お前を使用人として扱うのはもったいない。」
「え?」
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「だから嫌です。」
「敬語を使うな。」
「っ…。」
あれから、屋敷に戻ったあと、私はメイドとしてではなく、シエルの姉。ということで、仕事をさせてもらえなくなった。シエルと同じ、貴族として、自由に生き、自由に暮らせ。と言うのだ。
「…」
食事をする時、もちろんシエルと一緒に食べる。ただ、仕事をしている方が自分らしい気がするし、こうして特別扱いのようなことを受けるのは慣れていないため、申し訳ない気がするのだ。