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お気に入り 【黒執事】

第14章 狂った執事


*


「ゴメンなさい!ゆ、許してくださ」

「うるせぇんだよ!」

「っう!!」


なんでまた、コイツが…?血の繋がっていない、ヘンリー家の…アイツ…。

そして……。


「ははははっ!!無様な姿ね。」


ソフィア・ヘンリー。


「なんで…嘘つき…セバスチャンの嘘つき…。」


蹴られて、殴られての繰り返し。


「助けて…助けて…助けて!!アンダーテイカー!!」


*


「!…」


目を覚ました。


「…夢…。」


肩にブランケットのようなものがかけられていた。


「…」


嫌な夢を見た。空を見ると、もう夕方だった。


「ナツキ。」

「!…坊ちゃん。」

「…やはり、お前を使用人として扱うのはもったいない。」

「え?」


*


「だから嫌です。」

「敬語を使うな。」

「っ…。」


あれから、屋敷に戻ったあと、私はメイドとしてではなく、シエルの姉。ということで、仕事をさせてもらえなくなった。シエルと同じ、貴族として、自由に生き、自由に暮らせ。と言うのだ。


「…」


食事をする時、もちろんシエルと一緒に食べる。ただ、仕事をしている方が自分らしい気がするし、こうして特別扱いのようなことを受けるのは慣れていないため、申し訳ない気がするのだ。
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