第13章 戻った日常
お屋敷に戻り、購入した食器を棚にしまった。
「…」
「ナツキ。わ、私も手伝うだよ!」
「め、メイリン…。」(どうしよう、割らないかな…せっかくの食器…いや…でも断ったら…。)
と、気持ちが葛藤していると…。
「メイリン、ここはナツキに任せて、あなたは干していたシーツの回収をお願いします。」
「せっ、セバスチャンさん!は、はいですだ!」
メイリンは走っていった。
「…」
「…」
「っ…。」(怖くてセバスチャンの顔が見れない。)
背後からずっと視線を感じるのだ。
「!…」
乗っていた台がぐらつき、バランスを崩してしまった。
「っ…!」
思いきり目を瞑った。でも痛みはなかった。
「全く、気をつけてください。」
「!…す、すみませんでした…。」
今日は転ぶことが多すぎる。その度に悪魔に助けてもらっている気がする…。
「…あ、あの…?」
「……やはり、うっとおしい匂いですね。」
「え…?」
「…鼻につく、嫌な匂いだ。」
セバスチャンが言っているのはきっと、クロードの匂いだろう。自分では全然気づかない。シエルも気にしていなかったし。
「あ、あの、ありがとうございました…。」
私はセバスチャンから離れた。
「…この台は、もうダメですね。」
セバスチャンは台を持ちあげ、片付けた。
「…」(怖いです。私は今、とても夜が怖いです。)
でも、時間は待ってはくれない。夜になってしまった。