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お気に入り 【黒執事】

第13章 戻った日常


「!…す、すみませんでした…!」


上を向き、クロードの顔を見た時だった。


「!…」


真っ赤な目をしていた。


「やはり」

「…?」

「あなたの魂は…実に…美味しそうだ。」


私は彼から離れようとした。でも離れられなかった。


「は、離してくださ」

「実に…興味深い…。」

「んっ…!」


一瞬、何が起こったのかわからなかった。

でも、唇に生温かい何かが当たっているのがわかった。それから…。


「んぅっ…!」


ヌルリとした、動くモノが絡み合った。


「ふっ…ぁ…っ…!」


そして、ようやく何をされているの理解した。

私は彼に、「ディープキス」というものをされているのだ。


「っ…!」(気持ち……悪い…。)


とにかくそうとしか思えなかった。

私はクロードの舌を思いきり噛んだ。容赦しなかった



「っ…。」


すると、離れた唇。そして、すぐ彼から離れた。

クロードの口の端から流れ出る赤い液体。舌を少し出すと、止まらない液体。


「…」

「はぁ…はぁ…はぁ…。」

「…あなたを、私のものにしたい。」

「!…」


心底不愉快だ。苦手な人から、いきなり舌を使うキスをされた。


「私は…あなたのものにはなりません…。」

「…」


クロードの目がギロリと光った。


「…少なくとも、あなたにこの魂を食べられるわけにはいきません。」

「あなたなら、そうおっしゃると思っていました。だからこそ、あなたを手に入れたい。」
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