第11章 ヘンリー家の生き残り
「…ふふっ。私をごまかそうとしても無駄よ?あなたがヘンリー家、ソフィアさんと一緒にいたのは知ってるから。」
「…ソフィアさん?誰ですか?」
知らないフリをしようと思った。でもだんだん体が震えてきた。
「あら?寒くもないのにどうして震えているのかしら?」
「っ…。」
ヘンリー家のことを聞くだけで頭が痛くなり、気が遠くなりそうだった。アンダーテイカーも言っていたはず。ヘンリー家は滅ぼされた。と。
「…失礼します。」
私は微笑み、その場から離れた。
「…はぁ…。」
扉を閉めたあと、その扉を背後に座りこんでしまった。
「…どうして…。」
外はもう暗かった。
「…」
私はメイド服から着替え、街へ向かった。
「アンダーテイカー?」
「おや?珍しいね、こんな夜に。それに、今日は何度も来てくれるじゃないか。」
「…ヘンリー家の生き残りがいたの。どうして教えてくれなかったの?」
「ヘンリー家の、ねぇ…。」
私はソファーに膝を抱えて座った。
「…彼女は、本当にヘンリー家の子供だったのかい?」
「……うん。私の姉のことも知ってた。でも、瞳の色も髪の色も違ったの。」
「名前はわかるのかい?」
アンダーテイカーは忙しかったのか、手を動かしながら私に聞いてきた。
「…リア、って言ってた。」
「…ふぅん…。でも、そんな子がヘンリー家の一族にいるだなんて、小生は聞いたこともないねぇ。」
「!…でも、彼女は、リア・ヘンリーって…。」
「ヘンリーの姓がつく者は、もういないよぉ〜?」