第11章 ヘンリー家の生き残り
「じゃあどうして?」
「…リアって子は、なんらかの理由で、ナツキに近づきたかったんだろうねぇ。」
「……彼女はヘンリー家の子じゃないの?」
「うん。…さ、できた。」
「何作ってたの?」
「ん〜?」
アンダーテイカーは私に近づいてきた。そして、私の目の前に小瓶を出し、見せてくれた。
「!…」
その中には真っ赤な液体と固体になったものが1つ、入っていた。
「何…これ…?」
「魂だよ?」
「だ、誰の?」
正直、見ていると吐き気がしてくる。
「ん〜?誰って、君の。」
「!?…わ、私…?」
どういうこと…?
「でも…私は生きてる…よ…?」
「そりゃもちろん。その魂は、君の物じゃないからねぇ。」
「…どういうこと…?」
「君が1度殺された時、君を新しい人間に作りかえた。でも、君と全く同じ人間を作ることは不可能だった。記憶も性格も、君の内面を全て真似することはできなかった。」
アンダーテイカーはその小瓶を開けた。するとキツイ匂いが葬儀屋に充満した。ネックレスを探しに来た時、ここに来た時の匂いとそっくりだった。
「だから今、君は、小生が作った魂が入っているだけ。だから、君がいなくなったときは本当に焦ったよ。」
「そ、その時の記憶がないの。私は気づいたらあのヘンリー家の家にいたから…。」
「ふぅん…。」
「その魂…どうするの?」
「そりゃもちろん、君に戻すのさ。」
「!…こ、この魂は?」
「この小瓶に戻す。」
「そ、そんなことできるわけ…っ…」
「できるよ〜?」