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お気に入り 【黒執事】

第11章 ヘンリー家の生き残り


「わ、ワイングラス?1つ?」

「違うだよぉぉ!!棚にあったやつ、全部割れちゃったんですだぁぁぁ!!」

「え!?どうして?」

「お、お客様が来るから、棚のところ掃除しようと思って、そしたら急に棚が倒れてきて…!」

「怪我はなかった?」

「は、はいですだ!」

「良かった…。じゃあ片付けようか。セバスチャンには言わなかったの?」

「セバスチャンさんを探してたらナツキがいて…!」


話しながらキッチンに着いた。


「…!?これは…。」


凄い有様だった。足の踏み場がないくらいガラスが散らかっていた。


「…とりあえず、私が片付けるから、メイリンは他の仕事に戻って?」

「は、はいですだ!!」


敬礼をすると、メイリンは廊下を歩いていった。


「…さてと…。」(どうしたらこんなになっちゃうのか…。)


ほうきとちりとりを持ち、ガラスを掃いた。踏まないように注意しながら。


「…」(セバスチャン…毎日こんなことになってるのかな…。だとしたら大変だ…。)


しばらくして、やっと片付いたガラスの破片。


「…これどうしよう…。」


袋を3重にしてガラスの破片をその中に入れたけど…。


「…フィニ?」

「はい!」

「!?…」(小声で呼んだのに…。)


まさかのいるとは…。


「どうしたんですか?」

「これを運んで…もらえると助かるんだけど…。」

「はーい!」

「ガラスの破片入ってるから気をつけてね。」

「はーい!」


フィニに運んでもらい、私もついていった。


「よしっ!」

「ありがとうフィニ!助かったよ。」

「いえいえ!お役に立てて嬉しいです!」
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