第11章 ヘンリー家の生き残り
「よい…しょ…。」
シーツが入ったカゴを持ち、外へ向かった。
「…」
シーツを干していると、横から手が伸びてきた。
「!?…」
驚いてそちらを見ると、そこにいたのはセバスチャンだった。
「な、何してるんですか?お客様は…?」
「ええ、坊ちゃんから少し席を外すよう、言われましたので。」
「そ、そうだったんですか…。わ、私のことは気にせず、お仕事に……あれ?」
さっきまであんなにカゴいっぱいに入っていたシーツが無くなっていた。セバスチャンはニコリと微笑んだ。
「それで、先ほどは書斎で何をなさっていたのですか?」
「!…見てたん…ですか…?」
「ええ。」
「掃除…です。」
「なぜ途中でやめてしまったのですか?」
「うっ…。」(す、鋭い…。)
私はカゴを持ち、その場から離れようとした。でも…。
「もしかして、私とリア様が話していたから、ヤキモチ、妬いてくださったのですか?」
「!…」
「おやおや、図星…ですか?」
「っ…違います!///////」
そんなわけない。私はセバスチャンなんか好きじゃない。
「フフッ…可愛らしいお方ですね。そう素直じゃないところも、好きですよ?」
私の髪を少し持ち、掌に乗せて口づけをした。
「!…かっ、からかわないでください!///////」
私は屋敷の中に入った。
「ナツキー!!」
「!…メイリン?」
私の名前を呼び、半泣きで走ってきた。
「ど、どうしたの?」
「わ、ワイングラス…落としちゃっただよぉぉ!!!」