• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第10章 死神さん


「…」


すると、クロードはアンダーテイカーを睨みつけた。人を殺しそうな目で睨んでいる。


「…ふぅん…。」


アンダーテイカーは状況を理解してくれたのか、持っていた小瓶をテーブルの上に置き、手を広げた。


「ナツキ、おいで。約束通り、来てくれて嬉しいよ。」

「!…う、うん。」


アンダーテイカーの方へ歩き始めた時だった。
グイッ!と手をひかれ、クロードに抱きしめられた。


「!?…」


状況が理解できない。


「あ、あの…?」


私はクロードを見上げた。彼は真っ赤な悪魔の目をしていた。


「!…」(まさか…!)


魂を食べようとしてる…?


「ま、待ってください…あなたは…!」


クロードに何かを言おうとした時、視界が真っ暗になった。


「横取りは……ダメだよねぇ…。」


真っ暗になったのは、アンダーテイカーの仕業のようだ。彼に両目を塞がれていた。


「彼女の魂は、小生が蘇らせたものだからねぇ…。」

「……ただ、そう言われ諦められる代物ではない。」


メガネをかけ直す音がした。私はアンダーテイカーの手をどかした。クロードからかなりの距離があった。アンダーテイカーに背後から抱きしめられた。


「あの執事君も狙ってるみたいだし…。」

「…」


クロードの目はまだ真っ赤だった。


「あなたは…あなたには…アロイスが」

「旦那様の魂より、優れた魂があるのなら、私はそちらを選ぶ。」

「!…」


つまり彼が言いたいのは、アロイスよりも私の魂の方が良いから食べさせろ。と言いたいのだ。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp