第10章 死神さん
「…」
すると、クロードはアンダーテイカーを睨みつけた。人を殺しそうな目で睨んでいる。
「…ふぅん…。」
アンダーテイカーは状況を理解してくれたのか、持っていた小瓶をテーブルの上に置き、手を広げた。
「ナツキ、おいで。約束通り、来てくれて嬉しいよ。」
「!…う、うん。」
アンダーテイカーの方へ歩き始めた時だった。
グイッ!と手をひかれ、クロードに抱きしめられた。
「!?…」
状況が理解できない。
「あ、あの…?」
私はクロードを見上げた。彼は真っ赤な悪魔の目をしていた。
「!…」(まさか…!)
魂を食べようとしてる…?
「ま、待ってください…あなたは…!」
クロードに何かを言おうとした時、視界が真っ暗になった。
「横取りは……ダメだよねぇ…。」
真っ暗になったのは、アンダーテイカーの仕業のようだ。彼に両目を塞がれていた。
「彼女の魂は、小生が蘇らせたものだからねぇ…。」
「……ただ、そう言われ諦められる代物ではない。」
メガネをかけ直す音がした。私はアンダーテイカーの手をどかした。クロードからかなりの距離があった。アンダーテイカーに背後から抱きしめられた。
「あの執事君も狙ってるみたいだし…。」
「…」
クロードの目はまだ真っ赤だった。
「あなたは…あなたには…アロイスが」
「旦那様の魂より、優れた魂があるのなら、私はそちらを選ぶ。」
「!…」
つまり彼が言いたいのは、アロイスよりも私の魂の方が良いから食べさせろ。と言いたいのだ。