第10章 死神さん
「っ…。」(どうせこの魂が貰われてしまうのなら、セバスチャンかアンダーテイカーに貰われた方がマシだ。)
この人には食べられたくない。
「フッ…またお会いできることを楽しみにしております。」
そう言うと、彼は諦めたのか葬儀屋を出ていった。
「っはぁ〜…あ、ありがとう…アンダーテイカー、助かった。」
「あの執事君と知り合いかい?」
アンダーテイカーは私を離した。
「知り合いっていうか…前にシエルのお屋敷に来たことがあって…そこから…なんか付きまとわれてる?みたいな。」
苦笑いを浮かべた。
「気をつけないと…君の魂は…もしかしたら、伯爵よりも良いものかもしれないからねぇ…。」
「…!?いや、それはないと思う…。」
「ん〜?いや、あるかもしれないよ〜?」
「こ、怖いこと言わないでよ…。」
「ヒヒヒッ!!」
「笑い事じゃないってば…全くもう…。」
でも外を出歩く時は気をつけなければいけない。
「ナツキ。」
「ん?」
「しばらく、ここに住んでみないかい?」
「え…?」
「さっきみたいなことがあると、面倒だろう?小生がそばにいれば、すぐにでも君を守ってあげられる。」
「…確かに…良いかもしれない…。」
「でしょ〜?だから考えておいてねぇ〜?」
「うん。」(シエルが許してくれるかな。)
それが心配だった。