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Fruit of Love 【気象系BL】

第1章 灰色の蒼空





N 「 ・・・ ど、してですか 」


和也は顔を真っ赤に染めて
回転の鈍っている頭で必死で考えているようだった。


涙目になった瞳を、ぐるぐるさせて
時折、俺とちらりと窺うように目を合わせて。


すぐに逸らす ・・。


昨日は見れなかった表情だな。
そういう可愛い顔もやりゃ出来んじゃねぇか。


なんて、冷静にこの状況を楽しんでる
俺が居る。

・・ 別に俺だって何か意図があって
俺の女になれなんて言ったわけじゃないし。


ただ、そう ・・ 暇潰しの延長だよ。


人生楽しまなきゃ損だしな。





S 「 どうしてかって ・・? 」


N 「 ・・ っ 」





和也の生唾を呑み込む音が、
俺の耳にまで届く。

そんな和也に、俺はニヤリと口角の端を
引き上げて言ってやった。





S 「 俺、前から思ってたんだよ ・・ 便利な小間使いが欲しいって 」


N 「 小間、使い ・・・ 」


S 「 今日からお前は俺のな ・・ 俺に、飯作って洗濯して掃除する ・・ それくらい出来るよな? 」


N 「 そ、んなの俺じゃなくても ・・ 」





・・ ああ、和也の言ってる事は
的を射ている。

別にお前じゃなくたっていい。
相手なんかいくらでも探せる。


けどな、俺がお前を選んだのは
そこに真意があるからじゃない ・・ もっと別ん所にあんだよ。





S 「 俺さあ・・ 昨日お前と擦り合いっこした時から、お前じゃないとイけないような気がすんだわ 」


N 「 は、い ・・・ ? 」


S 「 家事をする時に、俺の下の世話もよろしくって言ってんの ・・ 意味、分かるだろ? 」


N 「 なんで、こんな事に ・・・ 」


S「 知らねぇよ、お前が俺の怒り買ったってだけだろ ・・ 自業自得だわ 」





そう吐き捨てると、和也の瞳が
ゆらゆらと光り始めた。


あーあ、泣かしちまったかな。
俺ってここまで鬼畜な奴だったっけ?





・・ でも、それもこれも全部
和也、お前が悪ぃんだからな。










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