第1章 灰色の蒼空
S 『 お前、その格好 ・・・ 』
『 クソエロいな 』なんて言葉を
続けそうになって、慌てて引っ込めた。
あ、危ねぇ ・・・。
俺は何をこいつに言おうとしてたんだよ。
いくら和也が女よりも華奢な身体
してるからって ・・。
俺は頭を小さく振り、切り替えようとした。
しようとした、んだけれど ・・。
N 「 ご、ごめんなさい ・・ シャワー使わせてもらいました、俺のTシャツ、飲もうとした水で濡らしちゃったから ・・ 」
S 「 それで俺の着てんのか ・・ ? 」
N 「 はい ・・ その、それを一言言おうと思って朝、起こしに行ったんですけど ・・ 」
和也はそこまで言葉を続けると
何かを思い出したように、顔を耳まで真っ赤に染め始めた。
それを隠すように、和也が俯くから
髪に隠れていた耳は顔を出すわけで。
もうそれで真っ赤に染まっている事を
否応なしに知らされる。
・・ 朝、なんかあったんだろうか。
あ、そうか ・・ 和也だって健康男子だ。
朝そういう気持ちになったっておかしくない。
下着までそういう事で濡らしたんだろう。
同じ男なんだから恥ずかしがる事ねぇのに。
まさか、下着も俺の履いてんのか ・・ ?
なんかそれは見てみたい、ような。
そう思って俺は、和也のTシャツをめくろうと
和也の下半身に手を伸ばした。
その白くて細い太もものつけ根に
軽く触れると、ビクンと身体を震わせた和也。
そして、両手で勢いよくTシャツの裾を
下に引っ張って俺の手を遮った。
N 「 そ、そういう悪戯は ・・ やめて下さいっ 」
S 「 はっ ・・? 悪戯、だと ・・ ? 」
N 「 え、あ ・・ しょ、翔さんっ ・・ ! 」
和也の言葉に、火をつけられた俺がそこにいた。