第1章 灰色の蒼空
・・・ なんか凄くいい夢を
見ていたような、そんな気がする。
意識がやっと深い眠りから浮上した時
大きな物音が俺を、一気に目覚めさせた。
何かを割ったような音で、
ソファから飛び起きた。
S 「 ・・ 何事だよ 」
まだ寝ぼけ眼で辺りを見まわそうと
頭をキッチンの方へ向けた時 ・・。
N 「 あ、翔さん・・ 起きちゃいましたか 」
少し慌てた様子で、駆け寄ってきた和也が居た。
ああ、そっか ・・。
昨日べろべろに酔ったこいつを雅紀から引き取ったんだっけ。
ふと今が何時か気になって
そばにあった携帯で時計を見る。
数字を見れば、まだ朝の8時半。
和也はこんな朝も早くから
一体何をしようとしていたのか。
それが気になって、気まずそうな顔をして
立っている和也をよそに、ソファから立ち上がろうとした時。
N 「 あ ・・ えと、その ・・ 俺 」
S「 なんだよ、そういやさっき物音が ――― 」
おろおろし始めた和也が身にまとっている
その格好に目が釘付けになってしまった。
上半身に着ている大きめのTシャツ ・・。
昨日、ベッドへ寝かせる時
俺が脱がせた格好 ・・。
だけど、今お前が着てんのは
俺のTシャツじゃねぇのか。
下は、まだパンイチのまんまだし。
・・ Tシャツの裾から覗く、その
白い足がとてつもなくエロく見える。
S 「 お前、その格好 ・・・ 」
俺は思わず、思っていた事が口から
飛び出してしまっていた。