第1章 灰色の蒼空
A 『 ・・ なんかべろんべろんに酔ってて、凄い甘えたになって絡んで来るんすよぉ ・・ 』
S「 ・・・ 」
その瞬間、俺は携帯をぶん投げてやろうかと思った。
・・ったく、ハラハラさせやがって。
勝手にやってろっつーんだよ。
A 『 ・・ ちょっと、翔さん? 聞いてます? 』
S 「 あ? それを俺にどーしろって言うんだ、お前は 」
A 『 出来れば引き取って頂けないかと ・・ 』
舐めたことをほざくこいつを、
ぶん殴ってやりたい所だ。
だけど、和也が誰かに甘えている所を
想像すると何だか腹が立つ。
だからって俺が和也を家に迎え入れる
なんて・・別にしなくてもいい事だ。
それにあんな事をしたあとだ。
どういう顔で迎え入れればいい・・。
A 『 お願いしますよぉ ・・ 俺、これからダチとクラブに行く約束してるんで ・・ 』
S 「 そんな事、俺には関係ねぇだろうが 」
A 『 でもでも、面倒見切れないですし ・・』
雅紀がいつまでも駄々をこねそうだったから。
そうだ、後輩の為だ。
別に家に入れたからってやましい事をする訳じゃない。
俺は別に、和也とあの行為をした事を
気にしてなんか・・・いないんだ。
S 「 ああ、もう ・・ 分かったから、さっさと連れてこい ・・ 俺にお前ん家まで迎えに行かせんじゃねぇぞ 」
A 『 翔さぁん ・・ っ! すぐに向かいます! 』
俺は雅紀にそう伝えて、通話を切った。