第3章 番外編①~みなさんの前で--!
やっと皆様、本日の授業を終えられて、今はレオンハルト様のお好きなおやつの時間。いつも通り、ザッハトルテが運び込まれてレオンハルト様は目を輝やかせている。
「おおー!トルテ、トルテだ!さ、早く食べよう!」
「本当、レオンハルト王子はトルテがお好きですね。」
授業が終わったばかりなので、ハイネ先生も一緒に、ということで、大広間で6人で食べることになった。
その授業を受けていたのがレオンハルト様で、勉強からのトルテという急上昇で、テンションの上がり方が開放感により、少し激しいように思う。
気付くと先にレオンハルト様が食べ始めていた。
「じゃあ私達も食べましょうか。」
私はそう言うと、自分のトルテに手を付ける。フォークで、チョコレートがかけられたケーキに一刺しいれる。私もトルテは好きな方だ。口の中のスポンジがチョコレートに染まっていく。
「う〜ん、やっぱりおいしい…!」
私は数分も経たない内に食べきってしまった。
皆様はケーキを食べ終わると、お話しの時間へと移っていく。今、私は、『カイ様はどうしてふにふにがお好きなのか』という話をしている。
「カイ様はどうしてふにふにがお好きなのですか?」
「ふにふに、気持ちいい…。柔らかくて癒やされるから…好き」
「そうだったのですか。だから、お好きだったのですね。」
「うん…ふにふには大事だから。」
やっぱりカイ様と接すると、なんというか和む…。すごい純粋…。
一方、他の王子達は…。
「レオンハルト。今日は師匠の新しく発見した、素晴らしさをお前に教えてやろう!」
「ブルーノ兄様、格好いい!」
「うわぁ…また始まったよ…。よくそんな熱く語れるよね…、ブル兄ぃ。」
と、ブルーノ様が意気込んでいるところ、レオンハルト様は聞こえていない。『ブルーノ兄様が話してくれる』、というところに感動しているようだ。その中、リヒト様は若干引いてしまっている…。
こっちは和気あいあいと和やかなとこ、向こうはなんか、カオスになっている…。
私はこの場をそう感じ取った。