第2章 王宮教師との出会い
___今日から、新しい王室教師が来る。
またいつものように、すぐ辞めてしまうのだろうか。それとも、昔のように嫌な思いを植え付けられるのだろうか。どっちにしろ、王室教師に良い思いはない。
もしかしたら、今度の先生は一味違うだろうか。なにか変えてくれるだろうか。
私は期待にも諦めにもならない気持ちで王子達と共に先生を待っていた__。
「はじめまして、王子様。私の名はハイネ・ヴィトゲンシュタイン。本日より私が貴方がたの家庭教師です。」
バッと後ろの大窓が開く。と、共に風が吹き入りこんでくる。
私達がいる大広間は瞬時に明るくなった。私は今日からの新しい先生はどんな人かとその方を見る。
………少し驚いたというか、ビックリしたというか…。私の瞳に映った王室教師なるその人は、私よりかは背が高いものの王子達と比べると、王子達の中でも一番背の低いレオンハルト王子よりも小さい。なのに、声が低いとか…。もうよく分からない。
なんかもう、斬新な人が来たな……うん、そういう感じだ。
私がそんな気持ちに浸っている頃、王子達はそれぞれ紹介(?)を終えたようだ。いろいろ考えていた私だか、薄く会話が聞こえていた。
王子達はどうやら、先生に興味津々だったり、いつものようにあまり良い印象を抱いていなかったりしているようだ。
すると、先生は新たな話を切り出そうとした。
「さて早速ですが、今後の授業方針を決めるため、お一人ずつ別室にて面談を行いたいのですが……」
「その必要はない」
レオンハルト王子が強めで話す。
「誰も家庭教師なんか望んでいない……!僕は教師という生き物が世界で一番、大ッ嫌いなんだ!僕は貴様を家庭教師とは認めないからな‼」
……王子がそう思ってしまうのもしょうがない。幼い頃、あんなことが起こってしまったのだから__。
大抵の教師はここで辞めてしまう。さあ、ここからどう来るのか。呆気ないのか、変えてくれるのか。
私はハイネ先生の次の言葉に期待を持っていた。