第8章 分かり合える人
「、最初に言ったけど、もう、ツバキのことは気にしなくていいからね…。
誰かとお前を比べる事は、
もう二度とないよ。」
ギューっと強く抱きしめられながら、言われてしまい、顔が赤くなるのが分かった。
「カカシどうしたの、甘いよ、恥ずかしい…」
「だって、こんなに人を愛しいって想った事がないからね。だけだよ、絶対誰にも渡さない。」
愛の呟きを
まったく辞めないカカシに、
もう照れてしまい、
口が緩く笑みが溢れた。
「誰にもずっと言えなかったんだね…カカシはカッコいいし、
言っても大丈夫だと思うんだけど…。」
「今までに…何度も言おうとしたけど、結局誰にも言わなかったね。もう諦めてたんだ。ツバキにさえ、自分に偽ってたからね。だから……ずっと孤独だったと思う。」
"ずっと孤独だった"
その言葉を聞いた時、
何年苦しんでいたのかと思うと、悲しくなった。
「に会えて良かった。
灯台下暗し…だね。
ずっと、探してたんだけなー。
こんなとこに居たんだね。」
頭を撫でながら私を見つめている。
「って言うか、カカシは私なんか女として、見てなかったじゃない。」
「ふふ、だって、全然俺のこと興味無さそうな振りばっかしてたでしょ?まあ、お前にだけは手を出しちゃダメだって思ってた。」
「何でよー、もう13年も片想いしてるんだから、ムラムラして襲ってきても、多分流されてオッケーしたわよ。」
プイと拗ねたように言えば、
可笑しかったのか、笑ってくれた。私はその顔を見て、ホッとした。
「あはは、何、馬鹿な事言ってんだよ。何でだろうね……。
まあ、多分、関係を壊したくなかったんだよ。側にいてくれるだけで、居心地が良かったからね。あー、気がつかなかったな。」
カカシが残念がって話をしてくれている。凄く嬉しく感じた。
「何ニヤニヤしてるのよ、は。」
「え?ニヤけてた?」
そう言って頬を触れば笑ってたようだ。