第4章 優しい人の部屋
どうすれば、正気に戻るか、
考えた結果、ツバキを敢えて出すことにした。
「ツバキ、今泣いてるんじゃないの?」
1番、卑怯な手を使ってみた。
今彼が一気にシラけるはずだ。
「…っ!!それは…」
流石に動揺を隠せないようだ。
今ももちろん、好きなのだろう。
彼が少し辛そうな表情を
したのを私は見逃さなかった。
「私とは、
ヤリたいだけでしょ?
身体を触りたくなったんだから。」
その言葉に
驚いているのか、
そんな考えがなかったのか、
彼はずっと黙っている。
「ツバキと元に戻したら?
今なら間に合うわ。」
カカシがツバキに戻れるような道を伝えた。
「だって、カカシの事今も
大好きなはずよ。そう思わない?」
彼が目を閉じて顔を少し歪め、下唇をギュっと噛むのが見えた。
もう一押しか、と考えていたら、カカシが溜息をついた。
「、凄いね、流石。
俺が一番グサってくる事、平気で言うよねー。」
「…萎えたでしょ?やる気無くしたでしょ?」
そう言って彼を押し退けようとするが、動かない。
むしろ私を覆い、
逃がさないように密着して
抱いている。
「うん、萎えるわ、最低ー。」
カカシが喋ると耳に息がかかって、敏感に反応してしまう。
「っ!や…。 」
その反応に気づき、
少し目を細め、
嬉しいのか、
顔が緩んでいる気がする。
カカシはゆっくり、私に目を合わせて、優しく微笑んで、甘くとろけそうなキスをしてきた。
ゆっくり優しく慰めるような口付けをしてくれて、私は思わず受け入れている。
「おまえ以外ね、もういいんだ。
他の子と会ってる時間がもったいない。
ずっと抱き合いたいんだよ。
がいてくれたら、もう十分なんだ。」
そんな恥ずかしいセリフを
まさか今サラリと言われると思わず、
瞬く間に顔が赤くなる。
カカシが、私の顔を見つめ、
嬉しそうに笑みを浮かべて、
もう一度、口付けをし始めた。