第10章 逢瀬と不穏な影
葵「何ですか?」
謙信「かんざしか首輪だったらどちらがいい?」
葵「な・・・何ですかその二択は!!」
謙信「どちらがいい?」
葵「できればかんざしで・・・」
謙信「そうか・・・ならば両方贈るとしよう」
葵「(聞いた意味!!)」
謙信「お前のその色の髪の毛と白い肌には、
首輪もかんざしもとても似合うだろうな・・・」
葵「あの・・・自分すでに、
尻尾に布もらっていますから・・・」
贈り物はそれで十分ですという意味をこめて、
葵はやんわりと断る。
謙信「知っている・・・
だがあれは普段人に見せられないだろう?
見えぬところから見えるところまで、
お前は俺のものだと、
そうしないと、俺は満足できぬのだ」
しかし謙信は葵の訴えに、
気づきながらそれを却下した。
贈り物はあくまで、
葵を喜ばせたいということ以上に、
謙信自身のためだという意味を込めながら・・・