第10章 逢瀬と不穏な影
幸村「え?謙信様が戻られ次第軍議じゃないのですか?」
信玄「それもいいが・・・
たぶんすぐには戻ってこないぞ?」
佐助「その心は?」
信玄「女の子の買い物は時間がかかるものだからな。
あと謙信が嬉々として、
あの子を連れまわしているなら、
おそらくなあ・・・」
義元「未の刻こえて帰ってくるのは申の刻ぐらいかもね」
幸村「そんなにかよ」
信玄「それから・・・な・・・」
信玄は何とも言えない顔をする。
幸村「なんですか?」
信玄「外で逢引だけであの男が済むと思うか?」
佐助「逢引終わって俺たちそっちのけで、
葵さんを閨に連れ込みそう」
義元「なんなら逢引中に、
宿で一戦交わしそうかな」
幸村「え!?いやでも謙信様だぞ!?」
閨や宿という単語に幸村は赤くなりながら叫ぶ。
信玄「だが謙信とて男だぞ?
好いた女相手に何もしないとは思えない。
というわけで軍議はなしだ。
幸村お前も今日は一日休め。いいな?」
信玄はそういうとどこかにふらりと消えた。
義元、佐助、幸村も各自どこかに出かけたのであった。