第10章 逢瀬と不穏な影
佐助「謙信様どちらに?」
謙信「葵とでえとに行ってくる」
佐助「でえと?」
佐助は怪訝な顔をする。
葵「ごめん。佐助。
買い物行こうとしたら捕まって・・・
で、謙信様がそれに付き合うって、
だからデートみたいだって言ったら・・・」
佐助「デートの意味を聞かれたと・・・」
葵「うん・・・」
佐助「なるほど、間違ってはいないな」
葵「そうかな?」
佐助「君と謙信様は恋人同士だろ?
そういう事情なら、
信玄様たちに、軍議は後でするように、
連絡しておきますね」
謙信「ああ、そうだな」
葵「え?ちょ・・・謙信様。軍議は!?」
謙信「そんなのは後だ」
謙信は有無を言わさず、葵の手を取った。
葵はそれに少しだけ驚くが、
やがて諦めるように謙信に連れられて歩く。
佐助はその様子を苦笑いしながら見送る。
佐助「いってらっしゃーい(棒読み)」
葵「いってきまーす(棒読み)」
そしてそのまま、
謙信と葵は城下へと繰り出していった。