第9章 復活
かつて自身を不愉快にさせていた甘いにおいすら、
身体をつなげた今となっては、
謙信を誘惑させるものでしかない。
あるいは不愉快と思っていただけで、
実際はそうではなかったのだろうと、
謙信はそんなことを思っていた。
そんなことを考えれば考えるほど、
昨晩の房事や今の彼女の柔らかさを、
鮮明に感じさせる結果となってしまい、
布団の下で謙信の男の象徴は再び反応していた。
謙信「ぐ・・・くそ鎮まれ」
二月分とは言わないが、
葵に相当注ぎ込んだはずなのに、
まだ足りないといわんばかりの愚息を謙信は叱咤した。
それでも一度反応したモノを鎮めるのは、
軍神と言えど容易ではなかった。
謙信は葵のことを意識しないように、
必死に信玄や信長との戦のことを考えていた。
そんな時、葵の寝言が聞こえてきた。