第8章 覚悟 ※R-18
信玄「何か方法でも思いついたのか?」
謙信「簡単なことだ。
試験に合格できなければということは、
つまり“俺と”交わらなければ、
こいつは死ぬのであろう?」
謙信は”俺と”という言葉を強調しながら、
ほかのみなに告げる。
佐助「え・・・つまりは・・・・・・」
謙信「ああ・・・そうだ・・・
俺の子種をこいつにくれてやることにする」
幸村「いいんですか?
・・・あんなに嫌がっていたのに」
謙信「こいつにこんな形で死なれる方が、
夢見が悪くなりそうなのでな」
義元「たしかに今この子を救えるのは・・・
謙信だけかもね・・・」
義元は鉄扇をパチリと閉じると、
謙信からの次の言葉を待つように、
謙信と葵の様子を見ていた。
義元以外も謙信の言葉を待つ。
葵「謙信・・・様・・・?」
謙信「・・・俺の負けだ。
・・・お前が欲しくてたまらない」
謙信の顔に、佐助たちは、
謙信が本気であることに気づく。
信玄「そういうことなら・・・
俺らは退散するとするかな・・・・・・
・・・謙信くれぐれも無茶するなよ。
・・・・・・相手は病人だ」
謙信「ああ・・・保障はせんがな」
信玄たちは葵の部屋を後にした。