第8章 覚悟 ※R-18
葵「私の命は・・・
試験の期限が過ぎれば終わります」
謙信「なんだと・・・」
葵「気にならなかったですか?
合格できなかったところで・・・
どうせ次の機会があるだろうにって・・・
それなら相手をこだわる必要はないのに・・・
と・・・」
五人「!!」
葵「大体の夢魔はたぶんそうでしょうね・・・
試験に合格できたら大人の夢魔になる・・・
合格できなければ、
子供のまま成長できない・・・
ただそれだけです
・・・私はたぶん違います。
試験に合格できなければ・・・
・・・このまま私は死ぬ」
佐助「つまり謙信様に固執していた理由は、
一度しか試験の機会がないのに、
気づいていたからかい?」
葵「・・・はい・・・ここにきて、
謙信様を見た時、
すぐに気づきました・・・
謙信様が試験の相手で・・・
謙信様を逃せば・・・
もう次はないことに・・・」
信玄「それであんな賭けを持ち出したんだな・・・
謙信をたきつけるために」
葵「はい・・・でも同時に思いました・・・
・・・きっと自分は・・・・
このまま消えるだろうと・・・
それは・・・
羽や尻尾が隠せなくなったことで・・・
確信にかわりました・・・
ああ・・・もうすぐ・・・
この身は終わるのだと・・・」
葵のあまりにも悲痛な覚悟と声に、
男五人は苦しげな顔をした。