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軍神と夢魔

第7章 異変


葵が部屋から姿を消した後
謙信「・・・・・」
謙信は無言でその場に座り込んだ。
謙信「・・・あれは反則であろう・・・・・・」
謙信は赤らんだ顔を隠すように、
目を手で覆いながらつぶやいた。
謙信の掌には、いまだに葵の尻尾の感触がのこり、
謙信の耳には彼女の甘い声が残っている。
謙信の鼻にかすかに彼女から香る、
甘いにおいがするような気がした。
謙信「あれが興味あるのは、
   俺の子種だけだというのにな・・・」
口づけの後から何度も自分に言い聞かせた言葉か、
あるいはこの戦でも負けてたまるものか、
そんな思いを込めるかのように・・・
もしくは、葵に忠告した、
”人間の雄”という言葉には、
謙信自身も含まれていて、
葵にはそれに気付いてほしいという、
そんな思いを一瞬でも抱いたのを否定するかのように、
謙信は顔にあてているのとは逆の手を握りしめた。
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