第7章 異変
そのころ謙信は自身の部屋に、
葵を連れ込んでいた。
謙信「あれはなんだ」
葵「すいません・・・
夢魔のしっぽ敏感なんです・・・」
謙信「それは分かった。
・・・ああいう思いをしたくなかったら、
二度とそれは出すな」
葵「心配・・・してくださるんですか?」
謙信「違う・・・不愉快だから隠せと言っているんだ」
葵「でもこれ好きで出しているわけ・・・
じゃないんですが・・・
たぶん半人前の弊害かと・・・」
遠回しに謙信が子種をくれたら、
たぶん隠せると葵は告げた。
謙信もそれに気づき、即座に顔をしかめた。
誰がやるかという気持ちを込めて、
葵を睨みつける。
謙信「仕方ない。これをやる」
謙信はどこかから一枚の布を持ってきた。
葵「なんですかこれ・・・」
謙信「これをそれにまいておけ。
俺のものだと思わせたら、
不用意に触るものはおらん」
葵「触られるのだめですか・・・?」
謙信「触られるたびにあのような声を上げれば、
男は勘違いをする。
俺以外に触られる気はないのだろう?」
葵「ええまあ・・・今のところは・・・」
葵の今のところという言葉に、
謙信はさらに顔をしかめる。