第6章 勝負の始まり
謙信「・・・前言撤回だ。
・・・その香は二度と使うな」
葵「なぜですか?」
謙信「不愉快極まりないからだ」
葵「・・・じゃあ今度は、
謙信様がお好きなにおいの香を、
私に教えてください」
謙信「なんだと?」
葵「謙信様が不愉快に、
思わないようにしたいですから」
葵が困ったように笑う。
その瞬間、香のにおいとは違う、
甘いにおいが謙信の鼻を掠める。
謙信「・・・っ
(またこのにおいだ・・なんだこれは!?)」
謙信はそのにおいに導かれるように、
葵の体を抱きしめた。
葵「け・・・謙信様・・・!?何を」
葵は焦るように謙信に問う。
謙信「動くな。
やはりお前のここから甘いにおいがする」
謙信は葵の首筋に顔をうめ、
そこに軽く口づけをする。