第6章 勝負の始まり
謙信の部屋にて
謙信「酌をしろ」
葵「それ本当だったんですね」
謙信「当たり前だ。
用もないのに俺はお前を呼ばん」
葵「その用事できれば、
夜伽であってほしいんですけど」
謙信「それは断る」
葵「ですよね・・・
いいですよ。酌ですよね」
謙信「ああ・・・・・・」
葵は謙信の盃にお酒を注いだ。
謙信「・・・お前も飲め」
葵「え・・・」
謙信「嫌か・・・?」
葵「いやそういうわけではないんですが・・・
その人間のお酒飲むのは初めてで・・・」
謙信「人間の・・・?
ああ・・・そういえばお前夢魔だったな。
あまりにも人間臭いので忘れていた」
葵「・・・よく言われます。
・・・夢魔っぽくはないと」
謙信「誰にだ?」
葵「佐助と幸村にです。
人間のふりがうまいと」
謙信「人間のふりか・・・
その姿は真の姿ではないのか?」
葵「ええ・・・まあそうですね・・・
羽とか人間の世界で生きるには、
邪魔なので収納していますから」
謙信「羽か・・・・・・」
葵の言葉に謙信は何か考え込んでいた。