第20章 いくつもの”あい”を君と
佐助「なるほどそちらの事情か・・・
いっそのこと謙信様におひとりでしてもらって、
その出たものを容れ物に入れて、
それを葵さんに届けさせるのはどうだろう?」
幸村「それはそれで空しくないか・・・?」
義元「その場合届ける役目・・・
佐助とかになりそうだけど」
佐助「謙信様と葵さんの子が、
流れないようにするためだ・・・
そのためならやむを得ない」
信玄「で?謙信どうする?」
謙信「俺の子が簡単に流れるとも思えんが・・・
まあ仕方ない葵のためだ・・・
口だけで我慢してやる。
その代わり口はあけておけ」
謙信は仕方なさそうにそうつぶやく。
幸村「そういえば懐妊って、いつ頃わかるもんなんだ?」
佐助「二ヶ月とかかな?」
義元「じゃあ謙信・・・昨日・・・
葵が身ごもっているのにしちゃったんだね」
義元の一言にほかの武将ははっとする。
謙信「・・・知らぬかったから無効だ」
佐助「・・・でも今日からは知っていますからダメですよ」
佐助は謙信に葵が妊婦であることを、
何度も言い聞かせた。