第20章 いくつもの”あい”を君と
謙信「・・・体大丈夫か・・・?倒れたと聞いたが」
葵「ただの貧血ですよ」
ふんわりと葵は笑う。
謙信「理解できぬな・・・
体調が悪いというのになぜ笑っている」
葵「それは・・・」
信玄「邪魔をするぞ。姫」
義元「倒れたってきいたけど・・・
あれ・・・元気そうだね?」
幸村「本当だ・・・てっきりまた、
謙信様が必要なアレかと思ったんだが」
佐助「それはない」
部屋に入るや否や男たちは好き勝手に喋る。
幸村の言葉を即座に佐助は否定した。
幸村「なんでそう思うんだよ」
佐助「・・・謙信様と葵さんは、
昨晩もお楽しみだったからだ」
眼鏡をくいと上げると気まずそうに佐助は語る。
謙信「・・・佐助・・・
お前、聞いたのか見たのかどちらだ?」
謙信は佐助を睨みながら問う。
信玄「じゃあなんで倒れたんだ?」
葵「それは・・・」
葵が言いよどんだ時、
女中が部屋に入ってきた。