第19章 死が二人を分かつまで ※R-18
贈り物事件の翌朝
佐助「・・・謙信様」
謙信「なんだ」
佐助「初夜に嬉しいのは分かります」
謙信「ああ、とても楽しかったぞ」
佐助「ええそうでしょうね」
佐助は春日山城の洗濯場で謙信にそんなことを言う。
視線の先には昨晩の房事の証拠である、
葵の尻尾の布がほされていた。
佐助「謙信様・・・何をしたら、
あの布があんな汚れ方したんですか」
謙信「言っておくがあれを汚したのは俺ではない」
佐助「謙信様の子種で汚れたんです。
原因は謙信様でしょう?」
謙信「・・・汚したのは俺のだが、
そうしたのはあいつだ」
昨晩の房事を思い出し、謙信は眉をひそめる。
佐助「葵さんが?冗談でしょう?」
佐助は信じないという風にそう答える。
謙信「本当だ。あやつめ、何を思ったのか、
俺のモノに尻尾をまきつけおったのだ。
ああ、嘘だと思うなら聞いてみるがいい。本人にな」
佐助は目を見開いた。
信じられなかったのでそのあとその本人に聞いたら、
事実といわれ、もうこの二人の房事に口を出すまいと、
佐助は心の中で誓った。
そんな誓いは謙信の部下である限り、
破られ続けることとも知れずに・・・