第19章 死が二人を分かつまで ※R-18
そのまま二人は褥の上にゆっくりと倒れこむ。
それは初めて会ったときとも、
初めて体を重ねたときとも違う、
優しく愛情に満ちたものだった。
謙信「・・・今宵はあの時と違い、
お前をゆっくり味わうことができる・・・」
葵「はい」
謙信「お前も俺を感じてくれ・・・
夢魔とか人間とか関係ない・・・
ただの愛しい女として」
葵「はい・・・私はあなたを愛します」
謙信は葵の答えに、
満足したように再び口づけをする。
そのまま彼女の着物を脱がす。
褥の上に、謙信の色に染まった羽と、
謙信色の布のまかれたしっぽが現れる。
初めて繋がったあの日から、
それは葵からの謙信への愛情表現になっていた。
謙信「いつ見ても美しい羽だな」
葵「・・・これを美しいと、
いうのは謙信様だけですよ」
謙信「・・・一つ秘密を教えてやろう」
葵「なんですか?」
謙信「お前の羽を筆にして書いた文は、
なかなか趣があった」
謙信はそういうと、褥のそばにある文机を指さした。
そこには葵の天使側の羽が、
筆としておいてあった。
葵「な・・・何してんですか!!」
謙信「何って南蛮で鳥の羽を筆にするのを知ってな。
お前の抜け落ちた羽を試しに筆にしてみた。
俺専用だ・・・よいだろう?」
謙信は得意げに言った。