第19章 死が二人を分かつまで ※R-18
謙信「葵」
謙信はそうつぶやくと、
葵の身体を背後から抱きしめた。
謙信「・・・よかったのか?」
葵「何がですか・・?」
謙信「もう二度と帰れなくなったのだぞ・・・?」
謙信は帰すつもりなどなかったが、
葵に問いかけた。
葵「・・・帰るも何も・・・
あそこはもともと、
私の居場所じゃないですから・・・
私の家はあの日からここです」
佐助「あの日?」
葵「決まっているじゃないですか。
謙信様に初めて会ったあの日、
そして・・・謙信様を好きになった日」
葵はふんわりと笑った。
それは今までの諦めたような、
困ったような笑顔ではない・・・
心の底からの本当の笑顔だった。
謙信「・・・・・・っ」
その笑顔に謙信は再び恋に落ちるような感覚を味わう。