第19章 死が二人を分かつまで ※R-18
紫苑「裏切り者:葵は、
夢魔と天使の間に生まれ、
天界と魔界の秩序を乱す大罪を犯した。
その罪は許されたものではない」
紫苑の言葉に葵は唇をかむ。
葵「・・・っ」
紫苑「しかし」
謙信「しかし?」
次の瞬間紫苑はにやりと笑った。
紫苑「魂の契りをしたその者は、
我らにとって、
すでに裏切り者でも仲間でもない。
ゆえに葵を追放処分とし、
今後その身は、上杉謙信。
そなたに差し上げます。
夢魔の長老より・・・だそうだよ」
紫苑は文を懐にしまった。
佐助「・・・つまり?」
紫苑「まあもう二度と、
こっちに帰ってくるなってことだね。
せいぜいここで暮らせってことさ・・・
そこの男の隣でね」
幸村「つまりもう殺す気はないってことか・・・」
紫苑「ああ・・・だから言っただろ?
今日は兄としてきたってね。
せいぜい息災で暮らせ・・・
愚かで・・・馬鹿な妹、葵」
葵「・・・お兄ちゃんも・・・元気で」
葵のその言葉を聞くと、
紫苑は少しだけ寂しげに笑って消えた。