第16章 呪いと思い
野営地で葵は意識を取り戻していた。
葵「謙信様・・・私・・・」
謙信「大丈夫か?」
葵「あの・・・」
私を殺してください・・・・・・
そう言いかけた葵の口を、謙信は指で塞いだ。
謙信「それは俺が許さん」
信玄「そうだな。
姫の命一つで手に入る、
安寧なんて後味悪いからな」
佐助「同感。それにここにいる連中みなタフだ」
幸村「タフ・・・?まあすぐに死なねえだろうな」
義元「まあ一番近くにいた謙信が、
これだけ元気なんだからね」
謙信「・・・お前の兄との決着はつける。
だからともに歩める道を考えようではないか・・・
そしたら・・・いずれお前を妻に迎える」
妻・・・その一言に葵は頬を桃色に染める。
信玄「おい謙信。もう少し雰囲気というものを考えろ」
佐助「プロポーズにしては、
ムードがなさすぎです。謙信様」
謙信「何がだ。俺は自分に正直になっただけだぞ?」
義元「それはいいけど野営地で、
婚姻の申し込みってねぇ・・・」
幸村「・・・まあ謙信様らしいといえばらしいけど」
謙信のプロポーズ?に佐助たち男四人は呆れ返っていた。