第16章 呪いと思い
謙信「断る。この娘は俺のものだ」
謙信はそういうと、葵の唇に深い口づけをした。
その瞬間、生命力を吸う力が止まった。
紫苑「止まった・・・?いや気を失ったのか・・・」
謙信「・・・失せろ。俺が正気であるうちにな」
謙信は夢魔や顕如たちの方を見ることなく、
ただ冷たくその言葉を殺気を込めながら言い放つ。
謙信の殺気に圧された夢魔と、
顕如の部下たちはあわてて退散した。
信長たちは命を吸われ、倒れた舞を抱き上げ、
馬に乗せていた。
信長「・・・謙信、貴様俺のものに何をする・・・
と言いたいが・・・
その娘に免じて言うのは、やめておいてやる」
謙信「・・・・・・ああ」
謙信は気を失った葵を抱きしめながら、
信長にそう言葉を返す。
政宗「本来ならその娘を殺せって、
言うべきなんだろうがな・・・」
家康「さすがにそんな弱い女の子殺してもね」
信長「ああ、その娘の命と、
引き換えの天下布武などなんの意味もない」
秀吉「しかしこれが続いてこれ以上、
周りに被害を及ぼすなら・・・」
光秀「俺たちもさすがに見過ごせないな」
三成「その方に何かあれば、
舞様が悲しまれそうですが・・・」
安土武将たちはそれぞれ述べると、戦場を後にした。