第16章 呪いと思い
紫苑は命を吸われながら語り始めた。
紫苑「そいつは・・・
放っておくと人の命を食い散らかす化け物だ。
そしてそれは天使と夢魔の混血共通の体質で・・・
治す方法を僕は知らない。
そいつを殺さねば、
そいつはいずれすべての命を奪う。
そいつの母親が死んだのも、
そいつが母親の命を吸い殺したからだ
そしてその現象がいつ起きるかは分からない。
だがひとたび起きればこうなる。
その力を封じるためにかけた術が、
命を吸う力を反転させる呪いだった。
だがその呪いをお前がといたことで・・・
今まで抑えられていた力が、
ここにきて暴走している・・・
このままじゃお前もお前の仲間も死ぬぞ・・・
その化け物に食われてな・・・
分かったか・・・あれを殺す理由を・・・
その裏切り者一人の命で多くの命が救える・・・
安いものだと思わないか?」
語るのが終わると、紫苑は謙信に残酷な選択を迫る。
まるで葵を早く殺せと言わんばかりに・・・