第14章 戦いの始まり
信玄「まあ平気だったか姫に聞いても、
あの子は平気としか言わないだろうからな。
本当に平気だったとしても、
・・・そうじゃなかったとしても」
義元「だろうね。試験だってあんなになるまで、
本音を言おうとしなかった子だ。
牢の中が辛かったなどというはずがない」
幸村「で?謙信様、信長と戦をするのはいいですけど、
信長にそれ伝えるんですか?」
謙信「ああ。佐助」
佐助「はい」
謙信「文を書く。すぐに安土に忍び込め。
安土の白狐を動かすためにな」
信玄「信長じゃなくてか?」
謙信「文だけでは信長の忠犬いや忠猿か・・・が、
怪しむであろう?
文でこちらのたくらみをにおわせ、
狐をおびき出し、
こちらの策に乗ってもらうほうが確実だ」
謙信は信長の家臣の二人を思い浮かべ、
怪しげな笑みを浮かべていた。