第13章 口直し ※R-18
そんな謙信の言葉や態度に安心したのか、
葵の顔は安らかな顔になった。
その様子に謙信は安堵すると、
葵の肩までしっかり布団をかけ、
そっと閨を出た。
謙信は月をぼんやりと眺め、
一人酒をあおる。
信玄「美女を放置して何してんだ?謙信」
信玄はそんな謙信から酒を奪い、
自分も飲み始めた。
謙信「信玄か、何の用だ
そして人の酒を盗るな」
信玄「酒ならたくさんあるからいいだろ?
眠れなかったからただの散歩だ。
気にするな」
謙信「嘘をつくな、あと図々しい」
信玄「本当さ。半分はな」
謙信「・・・」
信玄「あの子は大丈夫なのか?」
謙信「ああ、口直しはさせた。今は寝ている。
起こすなよ?
ようやくおとなしくなったところだ」
信玄「おとなしく?
あの子はいびきでもかくのか?」
信玄は謙信に興味深そうに聞く。
謙信「うなされていた。ひどくな・・・
そして何かに謝っていた。
俺もあれを喪った夢を見て飛び起きる・・・
お互いあまりいい夢を見ておらん」
謙信は複雑な顔をしながら酒をあおる。