第12章 波乱? ※注意
ある晩、もう一つ事件が起きた。
??「葵・・・だな?」
葵「どなたですか?」
??「謙信様のそばにいるのに、
俺を知らぬとは・・・まあいい。
謙信様にずいぶんと、
気に入られているみたいだなぁ・・・?
謙信様におとなしくされると俺は困るんだ。
謙信様を手籠めにした・・・
その手管を俺にも教えてほしいものだ」
男はそういうと葵の身体を無理やり押し倒した。
葵は抵抗するが、戦う術を持たぬ彼女では、
欲に侵された男を押しのけることはかなわず、
かえって男の欲を燃え上がらせるだけだった。
やがて葵は諦観したかのように、
瞳を閉じ、男とこれから起こることを覚悟した。
その目から一筋の涙が零れ落ちる。
男はにやりと笑みを浮かべると、
葵という女に、
自分の欲望を押し付けた。