ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第133章 臆病な彼女を見詰める彼
思い切って店員さんに聞いてみる事にした
実際私自身も正体を知りたい
思い切り異国顔なのにそのままの言語が通じる事に感動しながらもにっこり笑ったおじさんは「ラクダミルクの石鹸だよ」と教えてくれた
何でも人気のお土産ランキングに載るほどの品らしくしっとり保湿をしてくれるので身体から顔まで敏感肌でも平気なのだと言う
「石鹸……。」
説明を聞きながらも彼は納得した様にボソリと呟くとクリクリの大きな瞳をそのままに
「ひとつ頂戴。」
購入を即決した
しっとり保湿の石鹸………
彼は確かに美しく透き通る様な白い肌をしている
今まで何のスキンケアもせずに……なんて思っていたが即買いする程実はこだわっているのだろうか
私はまだまだ彼を知らない
「沙夜子も欲しい物があれば言いなよ。」
「はい、ありがとうございます!あの………イルミさんってスキンケアとか気遣ってるタイプですか?」
再び進み始めた私達
私の単純な疑問に彼は僅かに眉を吊り上げると
「スキンケアなんて一度もした事無いけど。」
単調に答えてくれた
どうやらスキンケアにこだわりは無しなタイプで間違い無い
なんて些細ながらひとつ彼を知れた事が嬉しい
「そっか、石鹸の説明聞いてお肌に良さそうやから買ったんかなぁって、私まだまだイルミさんの事知らないなーと思いました」
そんな私の様子に横目を向けていた彼は丁寧にも購入理由を口にする
「男でもやる奴はやるだろうけど俺は興味無い。ただ普通の石鹸は無香料を謳っても僅かに香料が混ざってるんだけどこれは匂いがしなかったから気になっただけ。」
「へー!イルミさんのおめがねに叶ったんですね!ちょっと気になる!」
「沙夜子も一緒に使うでしょ。まぁ使ってみなきゃわかんないけど。」
彼が自ら興味を示し購入するというのはかなり珍しいレアケースだと私は思う
現に今まで買い物をしていて本当に稀に見掛ける程度で数回数える程しか無く
旅先で彼自身が欲しいと思える物が見付かったのは私にとっても嬉しい事だった
強い香りを好まない彼らしいお買い物
彼が気に入る一品だと良いなと素直に思う
「今から楽しみですね!」
「?うん」