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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第133章 臆病な彼女を見詰める彼







彼は砂漠に来る事自体は初めてでは無いらしいけれどオアシスには初めて来たらしく

勿論観光も私とお揃いで初めてなのだ

きっと仕事以外何もせずにいた彼にとってもひしめき合う町並みは私と同じ様に未知で不思議な光景に映っているのだろう


彼の希薄な表情から覗く楽し気な瞳は普段のクールビューティーから一変して抜群のキュートさを発揮する

多分他の人が見たなら同じ無表情だと片付けられてしまうのだろうけど

私だけが気付ける変化だと良いな……なんて



商店を眺めながら歩き出した私達


しっかりと逞しい腕に掴まっている事で随分と歩き易く
人とすれ違う側を然り気無く歩いてくれている辺りに彼の紳士的なエスコートを感じる

そしてそのお陰で私は人を気にせずに商品を眺める事が出来ている


彼は本当に優しい人だ……なんて惚れ惚れしていると突然足を止めた彼につんのめってしまった


「っ…………?」


不思議に思い見上げれば


「あれ何だろう?」


彼がすっと指を指した方向には歪な四角形をした白い塊が山積みに積まれていた


確かにあれは何だろう…………



「………チーズですかね?」


「確かに乳製品の匂いはするけど発酵された痕跡は無いんだよね。…………乳製品をレンガにはしないだろうし……」



なんて真面目な考察を始めた彼は余程気になる様子だ



………よし、ここは私が…………



「すみません!これ何ですか?」




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