ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第133章 臆病な彼女を見詰める彼
__________"
リゾートエリアをゆっくり散策した私達は次いで街の中心部へとやって来ていた
途端にごった返す人波と細く入り組んだ道は人々の活気に溢れ
所狭しと並んだ小さな商店は台座から天井から色々な物が溢れる様に吊るされたり並べられたりしていた
「…………ッイルミさん……ここはまさにディズ○ーの世界ですね……!ア○ジンですよ!!」
今にも路地から青年とお猿さんが飛び出して来そうな雰囲気は私の興味を惹く物で満たされていて
興奮気味に言った私にチラリと視線を向けた彼は
「そうだっけ。ジブ○の方が印象的で忘れちゃった。」
ぼんやり言うと
「………確か虎使いの踊り子と青い怪物の話だったっけ。」
なんて惜しいのか惜しくないのかわからない薄ぼんやりとした記憶を口にした
「そんな感じかな………?」
なんて曖昧に私が答えたのは私が伝えたい事は物語では無く街並みの雰囲気だったので良しとしたのだ
しかし本当に凄い人混みだ………
彼は本来人混みが苦手
嫌がおうにも他人と肩が触れ合うだろう雑踏は彼にしてみれば苦痛かもしれない……
無理して付き合ってくれる気なのだろうか……なんて思いながらチラリと様子を伺えば
彼の無機質な瞳は想像とは真逆にキラキラと輝いていて
「はい、掴まって。」
なんて組みやすい様にポケットに手を突っ込んだ腕を差し出す姿に私は必死で頬の肉を噛んだ
……………めちゃくちゃ可愛い…………ッ