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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第132章 砂の都






屋根の隙間と言ってもぶっとい柱が支える天井はこれでもかと高く

スラ○ムの内部を丸くくりぬいた其処には色鮮やかで繊細な柄が施されていた


…………そして前記の通り壁が無い


開放感抜群なんて言葉では済まされないデンジャラス

部屋の左右には屋根から外へ突き出したスペースがあり右側には呆れる程広いプールとジャグジーが完備され

反対側には景色を眺められる様に配慮しているのかデッキチェアとテーブル、そしてここに来て初めて個室の概念を見せるトイレと簡易的なシャワー室があるのだが……

こちらも外側に向かって全てガラス張りの何とも落ち着かない仕様に成っている


そしてこの部屋で最も安全であろう中心部には丸い絨毯が敷かれたリビングらしきスペースがあり

大きなテーブルに革張りのソファー

そしてその傍に大きくふかふかのベッドがあった



愕然とする他無い部屋を只無言で眺める私に


「街の端、更には湖の麓だから周囲には何も無い。背後は砂漠で見渡せる分警戒し易いし、湖を隔てる事で中心部とも距離を取れる。従って壁が無くても問題無いと判断した。」


なんてぶっ飛び発言をする彼


壁が無くて問題無いとは一体…………


彼が言う問題とは外敵の事やプライバシーな問題についてなのだろうと察せても

私からしてみれば高い場所に壁が無いと言うだけで怖いのだ


黙ったまま彼を見詰める事数秒


彼はゆるゆる頭を掻くと


「そろそろ出よう。」


観光へと私を急かした


勿論観光はする

全力で楽しむつもりだが……

目玉が飛び出す程のびっくりホテルに複雑な気分のまま歩み出した



確かに部屋中どこにいても絶景だし

地面から遠く離れていて屋根で影も出来ているからなのか気温も全く問題無い

開放感満天に違いない素晴らしいホテルだが………落ち着くという概念は捨てる事にしよう…………





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