ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第132章 砂の都
アキホさんとダンさん、そして私と彼は朝食を進めながらも他愛無い会話を弾ませる
……………とは言っても彼は普段に輪を掛けて素っ気なくもっぱらダンさんの聞き役に徹していて
アキホさんは単身ダンさんに着いて来るまでジャポンを出た事が無かった事や、異国や華やかな環境にまだ慣れず友人も居ない事等を話してくれた
彼にされた忠告を頭に置きながらも自身と似た境遇に共感を覚えて私達は随分と盛り上がった
「これから私たちオペラに行くのですが沙夜子さんたちも一緒にいかがですか?」
「あ、すみません!私達ムーシャ観光の予定で………」
「そうでしたか、すみません、またご一緒出来る機会を楽しみにしています!」
「いえいえ、こちらこそすみません、是非!」
なんて如何にも日本人らしい会話を懐かしく感じていると
御手洗いに席を立った彼と料理を取りに行くダンさんとで気が付けば私達は二人に成っていて
「沙夜子さんたちも新婚旅行ですよね……私この旅行でハネムーンベイビー狙ってるんです!」
突然に始まったガールズトークに私はかなりの衝撃を受けた
「ダンさんも欲しいって言ってくれてるし基礎体温も計ってるんですけど……少し不安で……沙夜子さんはどうですか?」
只純粋な視線を向けるアキホさん
きっと男性陣が不在だった事やハネムーン旅行中という同じ立場だったという理由から私に打ち明けてくれた話は私の頭の中に全く無い次元の話で
「……あぁー……んー!ハネムーンベイビー!」
なんて咄嗟に出た大袈裟なリアクションにアキホさんは少し表情を柔らかくした