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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第132章 砂の都






04月04日




「沙夜子、朝だよ。」



彼の単調な声に揺り起こされて重たい瞼を開く


本能がブランケットに強く固執する程に明らかな睡眠不足の身体を無理矢理に起こして私は昨夜の事を思い出していた



___________"



時は遡り23:32


私達は昨夜と変わらずにひとつのベッドに横に成った

真っ暗に照明を落とした部屋に薄く月灯りが差し込む静かな夜





私はドキドキと緊張に跳ねる胸を抱き締めて瞼を閉じていた

何故なら夕方、彼から深いキッスを贈られたからだ



昼間見たのはポルノ映画で更にその後彼からのスキンシップがあった……………と言う事は……………



夜には夜のスキンシップが…………!!!


という思考である


彼はキスの後淡白な雰囲気に早変わりして色っぽい雰囲気も無く淡々と食事を済ませ、交代に入浴し、ベッドに入った


しかしながら彼が色香を漂わせるのはいつの時でも前触れ無く

ベッドに入った途端に………なんて想像をしていた私はいつもより長く浴室に籠っていた


彼に触れられる身体をピカピカに磨いておくのはマナーであり純粋な乙女心…………

勿論いつも唐突な彼に対して普段から手を抜いている事は無いにせよ愛の儀式が目前に迫っていると解っているならば入念にならざるを得ない


とにかく身体中ピカピカに仕上げてベッドに入ったのだ


昼間平然とした態度で映画を見ていた彼は見るからに何も思っていなさそうだったが

その後の行動からやはり男性的な本能が騒いでいるのだろうと推測した次第である



「電気消すよ。」


「………あ、はい」


間の抜けた声に妙に緊張してブランケットを口元迄引き上げる


やはり慣れないもので未だ彼と初めて肌を重ねた日と同様の気持ちを抱く私はゴクリと唾を飲み込んで

全神経を総動員して彼の気配に集中した




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