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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第131章 余裕な彼と精一杯の私







彼に与えられたミッションの為と言うよりも

彼は私の事を深く受け入れてくれている

自ら懐に誘う程に愛し、信頼してくれている

キスをしたい、と思ってくれているのではなんて自惚れた思考


そして私からも彼に愛を伝えたいという強い気持ち



ソファーから立ち上がりもせずに只私を待つ彼に込み上げる羞恥と愛しさ

私は今自分がどんな顔をしているのかなんて考える暇も無く

妖しく細められた瞳に吸い込まれる様に唇を重ねた


時間にしてほんの数秒


触れるだけのキスをした私の腕を強引に引き寄せた彼


バランスを崩して彼の膝上に傾いた身体はあっという間に閉じ込められて至近距離で見開いた目にゆっくりと伏せられた長い睫毛が映り



次に彼から重ねられた唇は情熱的に舌を絡ませる大人のキスだった



髪をくしゃくしゃに乱しながら何度も角度を変えて口内をかき回す彼に必死にしがみつき

耳に響くは煩く高鳴る心音と淫靡な水音

口の端から漏れ出す甘い吐息にクラクラと目眩がして


どれだけそうしていたのか


漸く解放された身体はぐったりと力を無くし彼の頼もしい胸にしなだれ掛かっていた


肩で息をする私と呼吸ひとつ乱さない彼


しかしシャツ越しに感じる体温は同じ様に熱く



「キスってこういう事でしょ?」


なんて悪戯な声色でクスリと笑う彼に私は俯いたまま



「…………イルミさんはズルいです……」



抗議に成りもしない小さな呟きを漏らしたのだった







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