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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第131章 余裕な彼と精一杯の私







長い指でページを捲りながら端正な顔を私の肩に乗せた彼の仕草にバクバクと全身を駆け巡る血液が熱く体温を上げて、どうすれば良いのかわからずパニックに成る


視線を何処に向けるべきなのかとか心音が聞こえてしまっているかもとか、ぐちゃぐちゃと脳内を交差する思考の中


「本当は全然興味無いでしょ。」


彼は悪戯な声色を響かせて私の心臓を殺しに掛かった


只でさえ早い心臓が図星にドキリと跳ねて最早動悸だ



「もしかして……と思ったけど、遠回しにせよ沙夜子が俺を誘えるなんて何百年先に成るかわかりもしない話だしね。」


なんて台詞に更にカッと耳元まで熱くなる


彼は余裕たっぷりの声と共に私から離れて元座っていたソファーに腰掛け、パンフレットを興味無さ気にテーブルに放った



…………やはり彼は私が遠回しに誘っているのかもと思ったらしい


それだけでも恥ずかしいのに私には到底無理なのだと見透かされている事も今更ながら恥ずかしい事だった


とにかく大量の汗をかきながらも俯く事しか出来ずにいると


「ねぇ沙夜子、今からミッションを出すけど拒否権は無いよ。」


突然謎の発言を始める彼の声に視線を向ける


………ミッション…………?!


………拒否権は無い…………?!


一体何が始まろうとしているのか形の良い唇を妖艶に歪ませる彼を前に嫌な予感しかしない


しかし私が何か言うより先に


「沙夜子から俺にキスしてよ。制限時間は一時間ね、スタート。」



彼は究極のマイペースでミッションをスタートさせた





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