ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第131章 余裕な彼と精一杯の私
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フラフラと心此所に在らずな私は気が付いた頃には部屋にいて
胸に抱いていたパンフレットを指差した彼に
「見ないの?」
なんて指摘されて壊れた様に笑った
そんな私を前に彼は一瞬目を見開いたけれど今は何かを察した様に放置してくれている
………こういう時のスルーは本当に有難い
全然興味の無い……寧ろ気まずさ製造器と化したパンフレットをぼんやり見詰める
…………本気で全然見たくない…………
……しかし折角彼が犠牲を払って購入したパンフレットを捲らない訳にも行かず
こそこそ見ていると逆に気持ちが悪いし彼の寛ぐソファーに座り中身を拝見する事にした
あくまでも自然に………
毅然とした態度で………
嫌に騒がしい心臓をそのままに唾を飲み込み表紙を捲れば目に飛び込む胸を露出して絡み合う男女の姿
汗がタラリタラリと流れ出して止まらない
私を天気に例えるならスコールだ
暫く文字を読んでいるふりをしながらも女優さんのおっぱいを凝視する
正直滅茶苦茶綺麗だ…………
羨ましいな…………なんて少し気が反れたのも一瞬の事
「面白い?」
隣に座っていた筈の彼の声が背後直ぐ傍から聞こえて私は盛大に跳ね上がった
「っ………!?!?イルっ……!!」
なんてあからさまに狼狽える私を背後から閉じ込める様に腕を伸ばした彼は少しシワを作ったパンフレットを取り上げると
「一緒に読もうよ。」
酷く淫靡な声を耳に注いだ