ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第131章 余裕な彼と精一杯の私
「…………」
「………。」
チラリと盗み見た瞳が互いに交わり私は咄嗟に視線を反らした
何を話すべきなのか……なんてぐるぐる考えていると
「……何処に行く気?さっきから同じ場所回ってるけど。」
彼は淡白に衝撃的な事実を口にした
ガバリと顔を上げてキョロキョロと辺りを見渡せば確かに見覚えのある風景に変な汗がじわりと浮かぶ
…………これでは映画の余韻を存分に引きずり意識していた事がバレバレでは無いか…………ッ!!!
とにかく会話を繋げなければと回転する頭には映画館の文字しか浮かばず船内施設の欠片も出て来ない
そんな私が導き出した答えは私自身全く予想だにしておらず
タイムマシーンがあったら変えたい過去第20位くらいにはランクインするだろう
何せ恥の多い人生だ………なんて事は置いておき………
「さっきの映画のパンフレット!!」
なんて叫んだ私は泣きたい程自分が嫌に成った
ポルノ映画に近い物のパンフレットが欲しいなんて恥ずかしいが過ぎる………………ッ
普段興味無い素振りをしておいてどれだけムッツリなんだと思われてしまう………………ッ
もしくは欲求不満で遠回しに誘っていると思われているかもしれない………………ッ
………………とにかく恥ずかし過ぎる
このままガラス壁を突き破って海の泡になりたいと本気で思う